高等学校の教科「情報」の実習環境をLTSPで構築した際の記録です。

なかなか更新してもらえないコンピュータ環境(8年使用、起動に10数分かかる)を、LTSPでサーバだけ更新することで改善した事例です。
2011年4月稼働を目標に作業しましたが、実際はギリギリで、授業で必要な機能を順次付け加えていった感じです。
私も自分の環境を構築する際、多くの方々が発信して下さった情報をつなぎ合わせて、なんとかまとめ上げることができたので、私も自身の記録を公開することにしました。 ただ、日常はその週の授業の準備に終われ、合間に書いていくのは思ったほど容易でなく、公開が遅れました。申し訳ありません。 また、作業途中に画面のキャプチャを取るのを忘れていて、文字ばかりのとても読みづらいページになってしまいました。

大学院在籍中に修士論文のために調べていた資料に、sanya.netさんの静岡県立二俣高校での実践と出会えました。 これは使えるのではないだろうかと考え、LTSPを導入することにしました。
　　http://linux.sanya-net.ddo.jp/

検証作業と、動作の不安定だった初代サーバの記録はこちらから

LTSPの構築

私のところの環境では、サーバはサーバ室にあり、サーバ室からコンピュータ教室に１５本のLANケーブルが延び、その先が教室の机にあるハブにつながっている形です。 なので、スイッチングハブもGiga対応のものに変えました。
＜サーバマシンのスペック＞
アウトレットで安くなっているワークステーションを発見し、これを活用しました。
マシンHP Proliant ML110 G629,800円アウトレットで購入
CPUクアッドコア Intel Xeon Processor X3430 2.4GH　　
メモリCORSAIR社 XMS3 DDR3-800 4GB (×4）4枚で14,960円マザーに搭載できる最大容量16GB（既存の2GBは撤去）
non-ECCだから落ちたときが心配だけど。。。
HDDS-ATA 1TB(Seagate) (×2)2個で10,530円Raid1を組むため、2台用意した。
(本当はRaid5を組むために3台用意したかったけど予算の関係で2台しか買えなかった)
LANカード追加BUFFALO　LGY-PCI-GT1,780円既存でオンボード シングルポートNC107i PCI Express Gigabit サーバーアダプター〜がある
スイッチングハブBUFFALO LSW3-GT-16NSRを購入
Giga対応		21,800円サーバ室に設置、教室まで15本のケーブルでつなぐ。教室の15個のハブは〜〜baseのまま
総費用　78,870円当初10万円以下で構築できるとは思っていなかったので感激
表1: 検証に使用したPCのスペック（斜体部分がマシン本体とは別に購入したもの）

＜ubuntuのインストール-1＞
最初、ubuntu-altenate CD amd64から、modeでLTSPを選択してインストールしました。インストールは成功しましたが、 言語パッケージ等のダウンロードだけで、、、、、、？？時間！！
マウスが動かなかったり、キーボードが動かなかったり、、、、　　言語パッケージのダウンロードのUpdating Cache で固まってしまいました。
さらに、LTSP環境の中にamdが出来てしまっていました。

＜ubuntuのインストール-2＞
気を取り直して、今度はUbuntu11.04-server amd64 からインストールしました。
　　時刻同期：はい
　ネットワーク設定は手動で(DHCPにつながっていたけど、自動で設定されなかった)
　　IPアドレス：10.1.10.XX
　　ゲートウェイ：10.1.10.YY
　　DNS：10.1.10.ZZ 10.1.10.WW(スペースで区切って、3個まで入力できる)
　　ホスト名：ltsp01
CDからのインストールが済んで、再起動
　　ちょっとビックリ。CUIだ。忘れていた。

　kamicupさんの「Ubuntu Server セットアップ備忘録」を参考にGUI化
http://d.hatena.ne.jp/kamicup/20080624/1214322228
　※ 日本語でのインストールしたけどこの場面でのコンソールは日本語対応していないそうなので、
　　「ThinkIT」の第2回Ubuntu Serverをインストール(Ubuntu Japanese Team 小林 準)を参考に
　　　$ nano ~/.bashrs　　　でnanoというエディタを起動
case $TERM in
linux) LANG=C ;;
*) LANG=ja_JP.UTF-8 ;;
esac
nanoの場合はCtrl+Xキーを押し、画面の指示に従えば保存と終了を行うことができます。
(nano の設定が結局よくわからなくて、変更せず。xを起動してGUIするので気にしないことに）
まずは、
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
で、いよいよ
sudo apt-get install ubuntu-desktop
〜〜〜かなり時間かかった〜〜〜
startx

GUIになったけど微妙に英語表示なので、System＝＞Administration＝＞言語サポート
で日本語化
メニューの System - Language Support からJapaneseを追加
メニューの System - Logout
"sudo shutdown -r now" でリブートすると、GUIで立ち上がる。メニューも日本語に変わっている。

/etc/LTSP/dhcpd.confを編集
sudo gedit /etc/ltsp/dhcpd.conf
　LTSPクライアントに向けた設定を以下の様に
subnet 192.168.1.0 netmask 255.255.255.0 {
range 192.168.1.1 192.168.1.60
コメントアウトする
# option domain-name-server 192.168.0.1
# option broadcast-address 192.168.0.255
# option routers 192.168.0.1
# next-server 192.168.0.1

　SynapticでLXDEをインストール　　　chromiumと　漫画作成Pencill　とmtPaint
　　samba winbindも

日本語の入力
　システム　設定　キーボードインプットメソッド　で、インプットメソッド　でAnthyを選択


当初順調だったけど、tftp-hpaを起動させたあたりで、LAN側につながらなくなった
eth0とeth1を入れかえたほうがいいのかも！！！！！！

どうも、うまく動かないので、eth0,eth1の設定変更
　初期設定では
　　　NICに関して、eth0が買ってPCIに挿した分、eth1が元々マザーボードについている分
設定ファイル　sudo gedit /etc/udev/rules.d/70-persistent-net.rules
買ってきたNIC(r8169)を eth1に
元からあるNIC(tg3)を eth0に 変更
　eth0をLTSPクライアント側、eth1をLAN側にする設定（箕面市の設定の様にLTSPをeth0に）
設定ファイル　sudo gedit /etc/network/interfaces
auto eth0
iface eth0 inet static
address 192.168.1.100
netmask 255.255.255.0
network 192.168.1.0
broadcast 192.168.1.255
auto eth1
iface eth1 inet static ←ここはdhcpでもよいかも(稼働中のubuntuに揃えた)
address 10.1.10.XX
netmask 255.255.255.0
network 10.1.10.0
broadcast 10.1.10.YY
gateway 10.1.10.YY
dns-nameservers 10.1.10.ZZ 10.1.10.WW
dns-search hoge.hogehigh.ed.jp


　dhcpをどのNICに向けるかの設定
sudo gedit /etc/default/isc-dhcp-server
（ubuntu 11.04からこのdhcpに　以前はdhcp3-server）
INTERFACES=”eth0”
に変更


tftp　と　dhcp　の起動確認
いよいよLTSP構築(クライアントのユーザはまだ作成していない)
那谷さんのブログの10.04でのLTSPを参考に
（ちなみに、11.04では、dhcpサーバが、、、、、）
ltsp-server-standaloneがインストールされていることを確認した上で
$ sudo ltsp-built-client
おっと、サーバがamdなので、
$ sudo ltsp-build-client --arch i386
でした。危ない！！

日本語化を、従来の方法ではうまくいかない(那谷さん情報)そうなので、情報どおりに
/var/lib/tftpboot/ltsp/i386/lts.conf　に　LDM_LANGUAGE=ja_JP.UTF_8
と書く。

これも無いんだけど

http://linux.enegai.jp/modx/thin_client_ubuntu_2.html
の「sshkeyのupdate」は必要なのかなぁ
$ sudo ltsp-update-sshkeys
$ sudo ltsp-build-client –arch i386

クライアント環境のアップデートやアップグレード、日本語化を行う
http://linux.sanya-net.ddo.jp/index.php?sub=blog&act=view&category=3

$ sudo chroot /opt/ltsp/i386
# apt-get update && apt-get upgrade
# apt-get install language-support-ja language-pack-ja
LXDEもインストールしなきゃ
# apt-get install lxde

chrootから抜けて、イメージの更新
# exit
$ sudo ltsp-update-image –arch i386


DHCPを内側にだけ向ける
$ sudo gedit /etc/default/isc-dhcp-server
(11.04からは上記isc-dhcp-serverです。以前はdhcp3-serverでした。）
でINTERFACES="" 　を　INTERFACES="eth1"
に設定


＜ユーザの登録＞
ユーザの作成など、シェルスクリプトだと勉強が間に合わないので、GUIするためにWebminをインストール
http://www.webmin.com/download.html
本家から、Debianパッケージをダウンロード
ダウンロードファイルをubuntuソフトウェアセンターで開き、インストールする
すると、altenateCDからインストールしたときは勝手にパッケージマネージャーでインストールされたんだけど、usermod -g xxx -G adm,admin,xxx xxx
# su xxx
xxx:~$ sudo id　　　 ←　管理ユーザの確認
uid=1000(xxx) gid=1000(xxx) groups=4(adm),112(admin),1000(xxx)
なぜか実行されず。
DLして、本家のページにあるように、
http://www.webmin.com/deb.html
sudo dpkg --install webmin_1.550_all.deb
する。と、一旦失敗する。以下のパッケージがインストールされていないとのメッセージ
　　libnet-ssleay-perl
　　libauthen-pam-peal
　　apt-show-versions
ここで、
sudo apt-get -f install
とすると、足りないパッケージをインストールしてくれて、Webminのインストールが完了する。

このままでは、まだ、webminにログインできないので、
sudo /usr/share/webmin/changepass.pl /etc/webmin root #####(パスワード)
で管理者用のパスワードを設定。これで、デフォルトユーザでログインできる。

localhost:10000を開き、
ログイン後、「webmin」のconfigで一応アップデートと言語（日本語）の設定
日本語の設定は今回は　JA_JP.UTF-8 を選んだ


＜ユーザを流し込む＞
生徒ユーザは、グループ「student」に所属させる設定(深い意図は無いが、何か後で役立ちそうなので)にするので、そのグループを作る。
　webminにログインし、「システム」→「ユーザおよびグループ」→「ローカルグループ」→「新しいグループを作成」　で、グループ名：student　グループID：2000　で作成。

ユーザ一覧を、授業で使っているubuntuマシンのローカルに作っていたので、そのマシンから
https://10.1.10.67:10000
　　(10.1.10.67はLTSPサーバのアドレス）
usermod -g xxx -G adm,admin,xxx xxx
# su xxx
xxx:~$ sudo id　　　 ←　管理ユーザの確認
uid=1000(xxx) gid=1000(xxx) groups=4(adm),112(admin),1000(xxx)
を開いて、
�，泙困蓮⊆�業履修者以外のユーザが使えるように、マシンの台数に合わせて50個のユーザを作成。

�¬簑蠅覆�ユーザができているようなので、

　　既に稼働させている初代マシンで生徒はhomeに授業の課題を保存しているので、既存のユーザIDと新規サーバでのユーザIDを揃えて、・・・・

※ クライアントのキーボード設定が(たぶん)「us」になってしまっている！！！
　　　那谷さんの記事にもあるように、 /var/lib/tftpboot/ltsp/i386/lts.conf
　　を設定する。(最初は、そんなファイル無いじゃん。11.04で設定ファイルが変更になったか？
　　と思ってたけど、LTSPのMLなど見てて、無いから作るということが分かる。)
　sudo touch /var/lib/tftpboot/ltsp/i386/lts.conf
　sudo gedit /var/lib/tftpboot/ltsp/i386/lts.conf
　　　で、記述した内容は
[default]
LDM_XSESSION=LXDE
LDM_LANGUAGE=ja_JP.UTF_8
XkbModel=jp106
XkbLayout=jp
　　とすることで、キーボード(「半角/全角」「(」「)」「:」等きちんと表示されるようになりました)

　1台のサーバで44人の生徒が活動するので、少しでも負荷を軽くするために生徒達はセッションマネージャーをLXDEを選択してもらっている。 この設定をデフォルトにするのも、このlts.confで出来そうなのだが、
[default]
LDM_XSESSION=LXDE
LDM_LANGUAGE=ja_JP.UTF_8
　　　とすると失敗だった。LDMがまずいらしい。「invalid card number」と表示されて再起動。
　　この2行をコメントアウトすると正常に起動した。

実は、ログオフするときにも一瞬この「invalid card number」がでて、ログイン画面になる。

従来の設定は、 /opt/ltsp/i386/etc/lts.conf なのだそうだが、ここはもう使わないのだそうだ。仮にここのlts.confに記述しても良いそうだが、その場合、その都度
sudo ltsp-update-sshkeys
sudo ltsp-update-image しないといけない。

http://cyclops.ddo.jp/recent/0707/ltsp/#5-1-1
も参考に
＜提出用、配布用ディレクトリ作成＞
　/home/infoBCを作成　その中に
　　/teishutu　730　所有者ltsp01　　グループstudent
　　/haihu 750　所有者ltsp01　　グループstudent

このディレクトリへのシンボリックリンクを各ユーザのデスクトップに置く
　　シンボリックリンクからとぶなら　
　　/teishutu　773　所有者root　　グループroot
　　/haihu 775　所有者root　　グループroot

として、特にグループstudentにこだわらなくてもいいか！！

作成中です

＜おわび＞
このマシンは、今は再インストールして授業で使うWebサーバになってしまいました。チャット、BBS、ブログ、wiki、LMS、など、Webでのコミュニケーション体験を させるために活用していきます。
後日、その構築レポートも公開したいと思います。